冠婚葬祭などがないと会えない身内と、久々に懐かしい昔話に花咲かせた。 その人の鮮明な思い出は、八十三歳で暇乞いをした私の祖母の、背骨が真っ直ぐであったことでした!

祖母とは同居していたが、姿勢に関しては完全に失念していた。猛暑の間は、アッパッパというゆるゆるの簡易服をまとい、他の季節は、きものに貝の口結び。手ぬぐいをかぶっり、たすきを掛けて、朝晩掃除をしていました。確かに、その背中は真っ直ぐだった!

父も祖母似の骨格で、存命中はそれが普通と思い、何の疑問を持たず、観察も質問もしたことがなかった。 人間の骨格・きものの形 どちらもも左右対称! 体の歪みを、きものは実に律儀に、正確に、現してくれる。 人生の最終章まで、真っ直ぐ骨格なんて、私にはトホホかな。

父は会社から帰ると、きもの着替え、夜の集まりがあると、よそ行きのきもの着替えていた! 男性のきもの姿が好きなのは、子供の頃から父のきもの姿に、馴染んでいたからかしら?

 

 

かっては、暮らしや心のなかに、普通に溶け込んでいた「きもの」。きものなくして、日本文化を語れないこと数多あると思います。・ハレの日のきもの・葬の日のきもの・ケノ日のきものには、それぞれに季節・文様・色彩・素材などの、伝統文化があり、日本人の礼儀・心意気・家族愛も織り込まれています!

「きもの」は単に体に良いだけでなく、日本文化の総合商社ですね。