新緑から万緑への季節の移ろいは、コロナ禍にいる私に、力強さを届けてくれています。青葉の時期に浮かぶのは、山口素堂の句。
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」
江戸の人達の好物でしょうか? 現代人もお好きな方は多いですよne
「万緑の中の吾子の歯生えそむる」 中村草田男
お若い父親の喜びを感じる一句。青々とした緑と、はえたての赤ちゃんの白い歯、若々しい色のコントラスト! ちなみに万緑は夏の季語で、創始者は草田男さんだそうです。
「子の髪の風に流るる五月来ぬ」 大野林火
幼子の輝くきれいな髪は、触れても、眺めるのもうれしいものですよne
最後に、私が好きな山口素堂さんの、一句。
「宿の春 何もなきこそ 何もあれ」
俳句の世界では立夏(5月5日頃)から立秋(8月8日頃)の前日までが、夏とされています。きものの世界では季節先取りが、粋! 本日も不粋な私をお許しくださいませ。