私が日本文化に魅せられている、そのひとつが「多様性」であります。
「きもの」は一代では終わらず、子孫へのバトンタッチも多い。それは家族愛に繋がっている。一例ではあるが、きものから帯・羽織・長じゅばんへの変貌。さらに、布団や座布団の皮・ねんねこ半纏に。以前はゆかたがおしめへと。綺麗な布切れは細工物に。最後は燃やした灰は、洗剤に使われた時代もある。
お蚕さんから生まれた着尺は、無駄なく、きものに仕立てられる。長く大事にまとったきものは、最後も無駄なく、人の心に思いだけを残し、無と化す。一般庶民は貧しく、きものは大切に扱われて、来た!
住まうことにも通じものがる。現代では見られない光景ですが、一つの部屋が、居間だったり、客間・食堂・作業場・寝室などへ、たやすく変身した! ただそれだけではない、季節に応じて、簾が掛けられたり! 障子に映る影も、おご馳走! 風鈴だって、夏の立役者! そして、ちゃぶ台も出番を知っていた。それらの物は簡単に隠せて、部屋は、何もないスッキリした空間であった。私の幼い頃は、どこの家も朝夕きちんと、お掃除をして、清潔であった!
先人たちの知恵と美意識。物を大事にして、その命を使い切る気持ちには、脱帽いたします。
限りなく少ないもので豊かに暮らす! 素敵なこと。。。
「足るを知る」という言葉が、私の中で、遊ぶ!