海辺の松林に転がっていた松ぼっくりや、松の梢を鳴らす音、晩秋の夕暮れの景色を思いしてい

た。「松籟」にはすごみがあるし、切なさを呼び起こさせてくれものがある!

 

松模様のきものか、帯、あったかしらと、記憶を追うと、母の「ケの日」のきものがあったが、も

う何十年も前に、きものとしてまとうには、余りにも地味で傷みもあり、迷わず洋服に変身させて

しまった。若かったけれど、ひとりできものはまとえた。365日子育てや介護に忙しく、きもの

に心をかける余裕や知識がなく、直、洋服への道を選択・・・。

 

松模様のきものは、細く裂いて編み棒で、シンプルな直線型のカーディガンに。八掛もシンプルな

ブラウスに。胴裏は白色が生成り色に変色していてが、それはそれで素敵であった。やはり細く裂

いて編み棒でタンクトップに。味わい深い洋服たちになってくれ、絹の肌触りの良さを、享受し

た! 長いこと愛で、最後はどのような処分をしたか、記憶が失せてしまっている!

 

 

 

その時、一枚のきものから、たくさんのものが出来ること、知りました。今は母や自分のきもの

で、下着を作ってみたいと思っています。それも、とびきりのべっぴん下着を。。。

きもので使える内は、きものでの着用が優先と思っています。

 

日本人の感情が息づくきものを、独りでも多くの方に、ご自分でまとって頂きたい!

そして、きものの命を使い切ってあげてほしい!

手の届く身近なきものから、愉しみませんか?

眺めるだけでなく、着付けを学ぶということは、想像以上の学びや膨らむ夢があります。

 

「きものまとい人に、なりませんか?」