江戸時代、津軽の農民は麻のきものしかまとうことが許されなかった。厳しく長い冬のために保湿と補強のため 、麻の布に木綿の糸で刺し子を施すようになり、やがて「津軽こぎん刺し」が生まれた。縦の織り目に対して奇数の目を数えて刺す手法である。
偶数の目でさすと青森県南部の菱刺しになります。衣香では今月末に菱刺しのバッグを作る講習会を、開催します!
参加者に先立って、私は麻の布に木綿糸で刺し始めました。刺しては解くことの繰り返し! それを楽しんでいる自分に、苦笑。。。 時々出しては刺す。 写真の所まで来ました。
私は、堀切辰一さんの「布のいのち」というご本に大分前に会いました。日本全体が貧しかった頃の布にまつわる切ない 人の心、くらしが書かれており、想像を絶する悲惨さ知りました・・・。
雑巾のかたまりと思ったものが、82枚の当て布で繕われた「腰巻」であった! 広げてみると、それはきれいに洗われ、丹念に畳まれた跡が残っていた。丁寧な針目で縫われていたそうです。堀切さんは、この腰巻の持ち主のご婦人を、
「貧困の極みで日々の暮らしにあえいていても、その心は決して病んでいなかったと思えてならなかった。」
この腰巻は、昭和初期のもので、農婦さんのものではないだろうか、と類推されています。
古い布に住んでいる「心」 を感じました。。。
遠くない昭和初期でも庶民の暮らしは貧しく、どん底の方々はおむつには、衣料として使えない程のくたびれたボロの耐久性を強めるために、刺し子をしていたそうです!
「布のいのち」を拝読して、物の豊かな今の日本ですが、若人たちが「心」でも、誇れる国であってほしいと思いました。