昨夜は中秋の名月、今日は満月。。。 夜空だけでなく、風も秋らしくなってきました。

 

つゝましや秋の袷の膝頭(ひざがしら)  前田普羅

 

幼い頃毎日きものをまとっていた伯母たちが「膝頭」が一番痛む という話を小耳にはさんだことがありました。女性にとって和裁が必須の時代は、痛んだきものの部分を隠すための位置交換は、日常茶飯事のことだったのでしょう。今よりは豊かではなく物を大事にした時代がありました。。。

布の命を使い切った!

 

下のバッグは菱刺し「温故知新」昔の方の技に、今風の感性を添えたものです。来月衣香では「菱刺しの講習会」を開きます。

 

 

 

津軽こぎん刺し・南部菱刺しは、江戸時代に麻布しか着ることを、許されなかった農民の野良着からの始まりで、麻布は織目が荒く風が通るため、保温と補強の目的で、織目を麻糸で埋めたそうです。

 

南部菱刺しは、布の縦糸を偶数本ずつ拾い模様を作っていく横菱に対して、津軽こぎん刺しは奇数本ずつ拾い模様を作っていく縦菱、どちらも魅力的な模様です。。。気の遠くなるような作業を昔の方は、コツコツされていたのですね。 敬礼です!

日本文化の凄さ、あらためて知りました。。。